● バリ島 ティンブル村から戻りました 報告:新垣絢子 2009年6月末。ガルーダインドネシア航空。いっぱいの日本人を乗せたフライトは、約6時間をかけてバリ島へ向かいます。午前11:00に日本を出発して、バリ島についたのは現地時刻17:00過ぎ。
今回の出張は、バリの村での村おこしプロジェクトの一環として行われる、コミュニティツーリズムの視察です。JEPSでは、今夏からこの村のツアーの販売を始めました。コミュニティツーリズムとは、訪問地域における持続的な雇用の創出や、伝統文化、自然などを守るために、コミュニティが主体となり行うツーリズムの形です。 (村の詳細は、ティンブル村ホームページ、コミュニティツーリズムの詳細は姉妹団体、ピースロー計画のサイトをご覧ください)
到着後、軽く夕食を済ませてウブドの滞在先へ。忙しく頭の中がよく整理できていないまま、車窓から真っ暗な道を見ると、ところどころに雑貨屋さんが点在して見えます。ん?この風景はインドやパキスタンの田舎に似ている。。。 日本人の行きやすさから、どアジアをイメージしていた私は、今更ながらインドネシアがイスラム国であり、バリ島はバリヒンズーの島であることを思いだしたのでした。。。 ウブドの狭い坂道を登り、宿に到着したのは午後9時過ぎ。 真っ暗な中にホタルが飛び、大音量の虫とカエルとヤモリの合唱が心地の良く、乾季のためか蚊も少なく過ごしやすいウブドの夜。
早朝、夜が明けるのを待たず、庭に出てみると、暗がりの中にうっすらと田園風景が広がるのが見えてきました。後に聞いた話によると、バリ島では農業従事者が全体の35%程度で、同程度の割合でホテルや旅行会社などの観光関連のサービス業。今はちょうど田植えの季節のようで、水の張った水田に緑の稲穂が揺れる時期の美しさを想像すると、ノスタルジックです。 観光産業は、宿泊やレストランなど観光関連業を含めると世界最大の産業の一つで、日本は外国へ旅行する人数(アウトバウンド)に対して、訪日する人数(インバウンド)が1/4以下と少なく、日常的に観光客に接する機会が少ない、世界でも稀な先進国と言われています。
他の観光立国然りですが、ことバリ島に関してはテロ、鳥インフルエンザなどによる旅行者減少の影響は甚大だったそうで、今回バリ島でいくつか視察をしたホテルも、それが大型有名ホテルチェーンであっても、私たちのような小さく、あまりこの手のホテルを利用しない旅行社に対しても、セールスに一生懸命といった様子がうかがえました。
不意に襲ってくる脅威による旅行者の減少は避けようがないだけに、このリスクを念頭に置いた営業活動が必要だと、2005年の爆弾テロ事件や鳥インフルエンザの流行以降、後遺症的に島の旅行業界がそういう姿勢を取っているようにさえ感じました。
話しはそれますが、新型インフルエンザの第一の流行国だったメキシコでは、4万人のホテル従業員が職を失ったという報告が、サステナブルなツーリズムを目指す海外の団体から発表されましたが、従業員の多くは地方に住むマヤなどの先住民族で、解雇に際しては何らの補償もされないまま(家に帰るお金すら持たないまま)放り出されるといった具合で、ここにも世界最大の産業である観光産業が抱える、大きな問題、特に人権と雇用の問題を見ることができます。
一方でコミュニティツーリズムという考え方は、外からの資本に依存し、村を観光客仕様に激変させることではなく、コミュニティが主体となり、村ににあったゆっくりとしたペースで、村の特徴を生かした観光業を興し、定着させ、雇用を創出するという方法をとっています。
伝統、自然などを守るべきものを守りながら、さまざまな産業基盤を作ることで、外部とフェアなトレードを作りだす大きな試みでもあります。今回訪れたティンブル村では、数年前の大きな土砂崩れ災害により、村の若者を多数失ったことから、母子家庭が増え、村から出稼ぎに行く方法ではなく村に産業を作り、村の中で仕事を得る方法を模索するなか立ち上がったプロジェクトです。今ある村の生活を守りながら、村のニーズやサイズにあった発展を考えるという意味でとても興味深く、このようなツーリズムは小規模ながら、最優先、最重要でバックアップすべきツアーでもあり、我々も方法を模索している最中です。
村ではちょうど、5年ぶりに行われる合同葬儀の準備に、村人たちが毎日集会場に集まってお供え物作りをしていました。それぞれの家庭が裕福ではないため葬儀を出すには十分でない家庭もあり、合同で葬儀を取り持ち、霊を弔うのだそうです。
女性たちはチャナン作り、男性たちは 竹を切ったり、大がかりな飾り物など力仕事をして、葬儀を出す家庭は一番最後まで残って作業をするそうです。
今回の出張に同行した1歳の息子は、あちこちとことこ歩いて顔を出しては、ティンブルギャルズ?たちの目線をくぎ付けにしていました。赤ちゃんがいる空間は世界中どこでも、笑顔が溢れだします。特に子どもに対する目線が本当に温かいティンブルは子連れの旅行にはもってこいの場所かも知れません。
さて、このツアーの目玉とも言えるオーガニック製品作りは、村で採れるジンジャーを基本として、もちろん添加物ゼロ、無農薬、目の前に生えているジンジャーそのものを使って展開していて、ジンジャーパウダーは、お湯で溶かして飲むと身体が芯から温まり、朝の一杯におすすめです。またジンジャーやその他の精油を使った石鹸も、泡立ちがきめ細やかで、心から納得ができる品でした。アロマオイルなども作ることができます。自分の手で作るオーガニック製品は、何より最高のお土産になりますね。 製品作りに際しては、村の若者たちが行程や手法を勉強しており、参加者の手ほどきをしてくれます。石鹸にはこの人!など村の中での拘りもあるようで、その説明過程は男性が担当しています。(写真はお昼のBBQ。村の人が鳥を焼いてくれました) この製品作りへのこだわりは、ティンブル村活性化プロジェクトに関わる、浅草のあげまんじゅう屋の若女将さんである、小林久美子さんの力が大きく、おまんじゅう屋さんを家業で営む環境の中での職人気質な製品作りとこだわりだと、新たな驚きに出会いました。物作りに妥協はしない、そんな姿勢が村人たちに影響を与えているようです。
そして村人を組織する現地のプトゥリさん。彼女もまた、熱い気持ちで村の将来を見据え、村のゆっくりとした成長を自らのリーダーシップで先導しています。会議で色々な話をしました。ツアーは立ち上がったばかりで、小規模なツアーなので、他のツアーに比べてもコンスタントに人を送りだせないことが気が気でないというのが私の本音。そんなことを打ち明けると、ミスプトゥリは「始めは少なくていいです。でもちょっとずつちょっとずつ」と。
将来的にはこの村で、日本語の話せるスタッフを育てたい。目指すのは持続可能な村の発展。・・・・そんな気持ちを確かに受け取りました。

自宅に戻り、ティンブル石鹸を使って子どもの体を洗うようになりましたが、子どもの優しい皮膚には、優しい泡のこの石鹸がよくあいます。体を拭いた後にも残る、ほのかな香りと肌触りは村の空気に包みこまれているようで、部屋に居ながら、ティンブルの風景や人々の顔が、ぽつ、ぽつと浮かんでくるようです。
ティンブル村へのツアーの詳細は
バリ島ティンブル村ホームステイとオーガニックハンドメイドツアー
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